レッスン2
【夢美】
「お兄ちゃんのための妹講座、早いものでレッスン2だよ!」
【にゅ~くん】
「夢美ちゃん、早速だけど質問のお便りがきてるにゅ」
【夢美】
「おお! 2回目にしてもうお便りが!?」
【夢美】
「良いね良いね! 早く紹介してよにゅ~くん!」
【にゅ~くん】
「分かったにゅ。では、大阪府にお住まいのPN『お兄ちゃん大好き』さんからのお便りだにゅ」
【にゅ~くん】
「わたしはお兄ちゃんが大好きです。でもお兄ちゃんがいません……どうしたら『妹』になることができますか? という質問だにゅ」
【夢美】
「…………(フルフル)」
【にゅ~くん】
「あははっだにゅ! この子はちょっと頭のネジが緩んでるんだにゅ……」
【夢美】
「…………(フルフル)」
【にゅ~くん】
「常識的に考えて不可能だってことくらい、ボクにも分かるんだにゅ!」
【夢美】
「すばらし~~!! あたし感激したよ! その心意気だけで、もう君は『妹』だよ! 免許皆伝だよ!!」
【にゅ~くん】
「ゆ、夢美ちゃん……? どうしたんだにゅ……?」
【夢美】
「もう! にゅ~くんには、この感動が分からないの!?」
【にゅ~くん】
「い、いや……どう考えても無理なことじゃないかにゅ……? 感動なんてできないにゅ……」
【夢美】
「はぁ~……分かったよ、それじゃ今日の講義内容は『妹』になるためには……に決定!」
【にゅ~くん】
「『妹』になるためかにゅ……? そんなの兄か姉がいる家に生まれたら自動的に『妹』になるんじゃないかにゅ?」
【夢美】
「Hold your tongue!(黙れ!) 『妹』についての初心者が『妹』を語るな!」
【にゅ~くん】
「ひぃっ! だにゅ! ゆ、夢美ちゃんが怖いにゅ!」
【夢美】
「……『妹』の大前提として兄や姉がいると、みんなは思ってるよね?」
【にゅ~くん】
「その通りなんじゃないかにゅ? 兄や姉がいない以上、決して『妹』にはなれないにゅ……」
【夢美】
「まずそれが大間違い! そんなのは『妹』の皮を被った単なる『妹キャラ』!」
【夢美】
「理想ばっか追い求めて、現実を見ようともしない豚どもが作り上げた偶像!」
【にゅ~くん】
「で、でも……兄や姉のいない人を『妹』とは呼ばないにゅ……!」
【夢美】
「それじゃあ例を挙げるよ……仮に兄がいたとして、その兄が死んでいなくなってしまったら、『妹』では無くなるの!?」
【にゅ~くん】
「はっ……!」
【夢美】
「答えは否! いなぁぁっ!!」
【にゅ~くん】
「……そ、それじゃあ『妹』になるためには、何が必要なんだにゅ……?」
【夢美】
「それは……『心』!」
【にゅ~くん】
「……こころ、かにゅ?」
【夢美】
「昔の偉い人は言いました……兄や姉がいるから『妹』なのではない、『妹心』があるからこそ『妹』なのだ……と!」
【夢美】
「『妹』になるために兄や姉は不要! 重要なのは心から妹になりたいという、その『心』!!」
【にゅ~くん】
「あ、ああぁぁっ……! め、目から鱗がこぼれ落ちたにゅ!」
【夢美】
「そしてぇ! 『妹心』は女の子は誰でも持っている! それに気がつくか気がつかないか……それこそが『妹』になるための第一歩!」
【にゅ~くん】
「う、うぅっ……な、涙で前が見えないにゅ……!」
【夢美】
「『お兄ちゃん大好き』さん! だから君はもう立派な『妹』なんだよ!」
【にゅ~くん】
「夢美ちゃんありがとうだにゅ! これでまた一歩、立派なお兄ちゃんに近づいた気がするにゅ!」
【夢美】
「だったらあたしも嬉しいよ! それじゃ、今回はここまで!」
【にゅ~くん】
「『妹サイコー』にゅ!」
【夢美】
「『シスコン万歳』!」