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「はい、無駄にお米のウンチクを広める、みここめの第3回目です」 |
「うむ、やっと3回目じゃな」 |
「前回は、お米を洗う所まで進めましたから、今日は炊きあげるまでです」 |
「炊きあげると言っても、まさか釜で直火というわけではあるまい?」 |
「そうですね。普通は電気かガスの炊飯器で炊くのが多いと思います」 |
「だったら、炊き方もなにも……スイッチ押すだけじゃろ?」 |
「まあ、そうですけど……それ以外にも色々と小技があるんですよ」 |
「ほほう、小技とな?」 |
「まず、洗い上げたお米は一旦ざるに上げて水切りします」 |
「ほほう」 |
「放置すると、乾燥してお米が割れてしまうので、すぐに炊飯釜に入れてお水を張ります」 |
「うむ、このときの水加減が大事なんじゃ」 |
「お釜についた水加減メモリにあわせて、キチンと計ってくださいね」 |
「そのときの水加減を目安に、堅目が好きな人は少し水を少なくしたり、調整するといいですよ」 |
「新米なんかは水分が多いから、いつもよりは、若干水は少な目にした方が良いぞ」 |
「美味しく炊きあげるには、水加減が一番重要なポイントですからね」 |
「多すぎず、少なすぎず……適量を見極めるのじゃ」 |
「さて、お水を入れた後はスイッチを入れる前に、少し時間を置いてください」 |
「夏場は30分くらい、冬場は1時間を目安にしてくれ」 |
「そうすれば、ふっくらと美味しいご飯が炊きあがりますよ」 |
「昔は、お釜や土鍋を使って直火で米を炊いたものじゃがな。便利になったもんじゃ」 |
「直火だと、お焦げができて美味しいんですよね」 |
「そうじゃ。香ばしい香りがご飯全部に広がってなんとも言えん」 |
「キャンプなんかのときに、飯盒でお米を炊くと、お焦げのおいしさを再認識しますね」 |
「ふふん……手軽な炊飯器には、真似のできぬ芸当じゃな」 |
「あら、最近の炊飯器には、お焦げのできる炊飯器もあったような……」 |
「なんと! 炊飯器もなかなかやるな」 |
「……炊飯器といえば」 |
「なんじゃ」 |
「聞いた話なんですけど……ある人の家の炊飯器が壊れてしまって、新しいのを買うまで2〜3日仕方なくそれで我慢してたんですって」 |
「壊れたんじゃろ? 炊けるのか?」 |
「なんか、ご飯らしきものは炊けるんだけど、表面はべとべとで中はパサパサという、ギリリ食べものって状態なんですって」 |
「ギリギリとな」 |
「ようやく新しい炊飯器を買って、その日炊いたご飯を食べたら死ぬほど美味しかったそうよ」 |
「おお、流石新型炊飯器はひと味違うようじゃな」 |
「でも、その感動も3日と続かなかったんだって」 |
「なんじゃ? ひょっとしてまた壊れてしまったとか?」 |
「そうじゃなくて、味に慣れちゃったんですって」 |
「そうか、たった3日で」 |
「せっかく新しい炊飯器買ったのにね」 |
「なあに、また壊れた炊飯器で、ギリギリ食べ物を2〜3日食えば良いのじゃ。そしたら感動も戻ってくる」 |
「あはは、それ不毛ですよ!」 |
「なんの。もののありがたみを知る良い機会じゃ」 |
「さてさて、ここで前回のクイズの答えです!」 |
「うむ。前回の出題は「八百万」じゃったな」 |
「それで、気になる読み方の答えは?」 |
「これは、「やおよろず」と読むのが一般的で正しかろう」 |
「はい、正解は「やおよろず」でした!」 |
「この問題、それほど難しいわけではないから、正解者は多かろう」 |
「そうですね、比較的良く出てくる言葉ですからね」 |
「次の問題はちょっと難しい言葉にしようかの」 |
「そうですね。物足りないと思っている方もいらっしゃるかもしれませんから」 |
「では、次の問題は「紙垂」をなんと読むかじゃ」 |
「おお、これはちょっとレベル高いですね」 |
「わかりやすく言うと「紙垂」とは注連縄(しめなわ)とかについている、白い紙のことじゃ」 |
「他にヒントはありませんか?」 |
「うむ。「紙垂」は単に「垂」と記すこともあるし、「四手」と書くこともある」 |
「あ、なかなかいいヒントですね」 |
「これが読めたら、お主の巫女レベルもなかなかちょっとしたもんじゃな」 |
「はい、それじゃあ、またお会いしましょう」 |
「さらばじゃ」 |