STORY
宝くじの高額当選――
そんなことが自分の身に起きるなんてまるで夢のようだ――
と思ったら夢だった……
住む場所も貯金も全てをなくして、残されたのは我が身一つ。
元より頼れる家族もなく、さまよい続けた果てに行き倒れて
後はお迎えを待つのみ。
これまでの人生を振り返り、家族にも見捨てられ
つらい過去ばかりがよぎる俺に優しい声が呼びかける。
「あの……大丈夫ですか?」
誰も見向きもしなかった俺を見つけたのは、小さな女の子。
彼女の献身的な介護ですっかり元気になって
しばらくの間、家に置いてくれることになった。
しかも俺の苦労話を聞いて、
その分甘えてイイって言ってくれるなんて……
だったら今まで苦労した分くらい、彼女に甘えてもいいよね?